AiMesh(メッシュWi-Fiネットワーク)を試してみた その3LyraTrio編

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著者

Pottal

公開日

2019年05月15日

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最新記事はこちらです。さらに詳しく丁寧に解説しています!▼

ASUS Japanさんの巧妙な罠にまんまとハマってしまい、AiMesh依存症になった間抜けPottal(ポッタル)です。今回はAiMeshとの生活が忘れられずつい買ってしまったLyraTrioと元から家にあったAiMesh対応ルーターRT-AC68Uを使いAiMeshを組んでみたので、LyraTrioのレビューとAiMeshのレビューをしたいと思います。(2021年3月7日追記)

ちなみに、AiMeshの親機となるRT-AC68UをNURO光のONUがあるリビングに、LyraTrioをLANポートがある客間に設置しました。

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我が家のWi-Fi環境。主に2階をリビングのRT-AC68Uで、1階をLyraTrioでカバーしているのだがLyraに不具合があり泣く泣く無線接続で運用することとなった。

 

LyraTrio、いきなりの不具合発生。解決までのあれこれ

Lyra Trioですが、こいつには散々苦労させられました。まず、届いたのがちょうどGT-AC5300とRT-AC88Uのレビュー期間だったので、AiMeshにイーサネットバックホール(有線接続)で組み込んでみたところ、”AiMesh_5G”ではなくゲーム専用帯域である”AiMesh_Gaming” の方のWi-Fiスポットとなってしまい、しかもそれを設定で”AiMesh_5G”に変えることが出来ず…その上電波は出すけど繋がらないという最悪なことに。
その時はAiMeshのメインルーターがトライバンドという特殊性を持っているがゆえの事態だと思い諦めてインテリアにしてたのですが、レンタル期間が過ぎ、自前のRT-AC68UとこのLyraTrioだけでAiMeshを組もうとした時、地獄を見ました。

接続が頻繁に途切れてしまうのです。

正確にはROG Phone以外のスマホで、LyraTrioに繋ぐと接続が頻繁に途切れてしまい使い物にならなくなるのです。なぜROG Phoneではよくてそれ以外のスマホではダメなのか不思議でなりませんでしたし、他のスマホで運よくスピードテスト中に途切れず測定しきれた時の結果を見てみても普通に速度が出ており、非常に不可解でした。ルーターの設定を何度変えても、何度初期化し、何度AiMeshを組み直しても症状が改善しないため、匙を投げかけました。

さて、いつも通り結論から書きますと「イーサネットバックホール(有線接続)」をやめれば解決しました。つまり、LANケーブルをえいやっと引っこ抜けば解決しました。
解決まで四苦八苦している様子はこちらを見て頂ければと思います。

問題を整理すると、#AiMesh ノードに設定した #LyraTrio にiPhone8シリーズを接続すると、電波強度に問題がないのにも関わらず接続が頻繁に途切れる。この問題はROG Phoneには発生しておらず、少なくともiPhone8シリーズ4台(iPhone8が2つとPlusも2つ)には起きる。

— ポッタル (@Pottal_MDS) April 2, 2019

 

 

 と、いうことでLyraシリーズで接続が不安定とお困りの方は是非ともAiMeshノードになっているLyraシリーズのLANケーブルを引っこ抜いて色を緑から水色にしてみてください。

それにしても普通、有線接続がダメで無線接続なら解決するなんて思わないじゃないですか。今まで使っていたASUSルーター(ACシリーズ)ではこんな問題は発生しなかったので、LyraTrioないしLyraシリーズ固有の不具合だと思うのですが…

 

さて、解決に至った経緯ですが、そもそもAiMeshを構成すると基本的に親機の設定しかいじることが出来ない(AiMeshノードの設定を個別に変更することが出来ず、ノードのIPアドレスを手打ちしても親機の設定画面に飛ばされる)ため、どうすることも出来ずに半ば諦めてLANケーブルを引っこ抜いたという次第であります。

LANケーブルを引っこ抜いてしばらくするとLyraTrioの色がイーサネットバックホール接続状態を示す緑色から水色に変化しました。

もちろん、緑色が正しいというか無線接続より有線接続の方が安定性もあり基本的には速度も上なので緑色(イーサネットバックホール)の状態が正しいはずなのですがこれによってなぜか接続が安定するという…
これは勝手な仮説ではありますが、この有線接続と無線接続で色が変わるというのがミソというか、有線か無線かで挙動が変わるために有線接続時に出るバグが無線では出ないということなのではないでしょうか。おそらくハードではなくソフト由来の不具合だと思いますが(というかそうでないと困りますが)今後のアップデートで解決してくれることを切に願います。

ということでLyraTrioは現在、本来の実力を発揮できないまま無線接続で運用しています。それを踏まえた上でレビューを読んでいただけると幸いです。

 

LyraTrio開封の儀

今までのASUSルーターと違い、LyraTrioの箱はすごく小さく梱包もあまりかっちりしてません。箱を上にすっと持ち上げるだけです。

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LyraTrioは箱を引っ張ればすぐに出てくる簡易的な包装。

また、付属品も本体のすぐ下に収納されており、今までのからくり箱みたいなコンパクト収納はなんだったんだ?と思ってしまうほどです。

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本体の他、CAT5eのLANケーブル、電源アダプタとケーブル、セットアップガイド、保証書が付属

LyraTrioは本体も付属品も小さいのでただ詰めればそれが一番コストもかからず楽だったのかもしれません。

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今までのASUSルーターにないACアダプター。コスト削減のためだろうか。

付属品で面白かったのが、このACアダプタです。徹底した共通化によりコストカットを図っているのでしょうか。プラグ部分をスライドさせて装着させる分離式になっており、これで各国のプラグに対応させているようです。

 

LyraTrio外観レビュー:小さい!白い!Lyraシリーズは今までのASUSルーターとはコンセプトが違う

とりあえず外観からレビューしたいと思います。以前書いた「AiMesh(メッシュWi-Fiネットワーク)を試してみた その2~GT-AC5300とRT-AC88Uの組み合わせは最強~」でもちらっと写真は載せましたが、本当に小さくて、これまで6つのASUSルーターを使ってきた私からすると「ホントにルーター?」と心許なく思ってしまう程でした。また、カラーもこれまでの黒からがらっとイメージを変え白になり、Lyraシリーズはコンセプトが違うんだなぁと実感しました。

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今までのASUSルーターになれた人間からするとLyraTrioは本当に小さい。

ポートは必要最低限しかなく、LAN/WANポートとLANポートのみです。

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あとは電源プラグとリセットボタン、ペア追加ボタンくらいでしょうか。状態を示すLEDインジケータは逆に大型化されておりLyraTrio全体が光るようになりインテリアとしての側面が際立ちました。ただ、おしゃれ感にステータスを全振りしたせいで本体の色でしか状態が分からなくなってしまい、何らかの不具合が発生した時に何がエラーを吐いてるのかが本体から判別するのが難しくなってしまいました。また、インテリアとしてTPOも弁えられるようにこのLEDを切ることも出来ます。

 

個人的には音楽に合わせて七色に光ったり、あるいはASUS(ROG)のAuraSyncに対応して部屋を彩って欲しいのですが、これはROGに毒され過ぎたせいでしょうか。

 

LyraTrioをAiMeshに組み込んでみた

ASUS JAPANさんの巧妙な罠でAiMesh無しでは生きられない身体になってしまった私ですが、ASUS AiMesh対応ルーターにメッシュWi-Fiルーター ASUSLyraシリーズが加わったので、早速LyraTrioをAiMeshに組み込んでみました。1台AiMesh対応ルーターがあれば、Lyraシリーズを追加購入することで安価でAiMeshが構築出来るようになったのは嬉しいです。ちなみに、LyraMiniではなくより上位のLyraTrioを購入したのは、性能を求めたのではなく何故かLyraTrioの方が安かったからです。

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当時(2019年2月8日)は、なぜか上位モデルであるLyraTrioの方が安くなっていた。

さて、ということで既存のAiMeshもしくはAiMesh対応ルーターにLyraシリーズを追加する方法について書いてみたいと思います。手順としては各ルーターのアップデート→親機から子機であるルーターをAiMeshに追加とこれだけなのですが、常時インターネットに繋がってる親機はまだしも新品のLyraは最新バージョンではないはずなので、AiMeshへの追加前にこれをインターネットに繋いでAiMesh対応化アップデートをする必要があります。今からその手順を詳しく書き連ねたいと思います。

AiMeshへの追加の前に下準備を

まず、前提として親機となるAiMeshルーターと追加するLyraシリーズがそれぞれ最新のファームウェアであることを確認してください。親機であるAiMeshルーターは普通にWebUIやルーター管理アプリからアップデートを行えばいいと思いますが、まだインターネットに繋がっていないLyraシリーズの方はちょっと面倒です。
LyraシリーズのWAN/LANポートとAiMeshルーターのWANポートをLANケーブルで繋ぎ、Lyraシリーズの電源を点けます。しばらくするとLyraからパスワードのかかってないWi-Fiが飛ぶので(おそらく「ASUS_数字_アルファベット」というSSID)それに接続します。

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セットアップ前のLyraTrioは「ASUS_数字_アルファベット」という構成のSSIDとなっている。パスワードは設定されていないため、ただこれに接続しLyraアプリを開けばよい。なお写真はiOSのものだがAndroidでも同様の手順で行えばよい。

接続後はLyraアプリを使ってセットアップをします。もし、スマートフォンがなければ
http://router.asus.com」にアクセスしてセットアップをします。
スマホでもPCでもとりあえず画面の指示に従ってポチポチしていれば大丈夫だと思います。

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回線契約は家庭によって異なるため、ここの手順は割愛する。

また、セットアップ中に管理用のIDとパスワードの設定やWi-Fiを使うためのSSIDとパスワードの設定が必要になるかもしれませんが、Lyra(Lyraに限らずASUSルーター)をAiMeshのノードとして使う時はどうせ初期化してしまうので、すぐに入力できる簡単なものにすると楽です。(もちろん、AiMeshの親機は強固なパスワードを設定してください)

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ここで設定したネットワーク名とネットワークキーがLyraのSSIDとパスワードになるが、AiMeshに追加するときに初期化することとなるので覚えやすいものでよい。(ただし、AiMesh親機のSSIDは個人やメーカーを特定されないものにし、パスワードは強固なものにするべきである)

 

SSIDとパスワードを設定し、そのSSIDに接続し直すことになるのでこの数秒間だけパスワードを覚えておく必要があります。

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万が一ネットワークパスワードを忘れてしまった場合はLyraを初期化すると最初から設定し直すことが出来ます。

 

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こちらも同様で、すぐに初期化することとなるので簡単なもので良い。(ただし、AiMesh親機のはちゃんと設定すべきである。間違っても初期設定のままではいけない)

とりあえず、そんな感じで画面の指示に従いポチポチし、システムアップデートまで済ませたら下準備は完了です。

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無事にインターネットに繋がったらアップデート通知があるはずなので、そのままアップデートをする。

 ※アプリではなくブラウザから設定する場合も同様の手順となります。

いよいよLyraをAiMeshに追加

Lyraのシステムアップデートが終わったら下準備は終了です。
AiMeshにLyraを追加するためにLyraを初期化します。LyraTrioの場合は裏面のリセットボタンをLEDが黄色に点滅するまで長押しします。その後、青く点滅するのでしばらく放置すると白く光ります。
白色になったら初期化は完了です。そのまま何もせずに放置してください。また、このときにLANケーブルでAiMeshルーターの親機と繋がっていることを確認してください。

Lyra Trioのリセットは裏面のリセットボタンを長押しすることで可能です(1枚目)。黄色点滅状態になったら長押しをやめてください(2枚目)そうすると青色点滅(3枚目)になるので、しばらく放置し白く光ればリセット完了です(4枚目) pic.twitter.com/sjIRFDXvkx

— Pottal-Portal (@Pottal_Portal) April 24, 2019

 

以降の操作はLyraではなくAiMeshルーターのものになります。

※LyraからAiMeshへの追加も可能なようですが、AiMesh親機から設定した方が確実です。

まず、AiMesh親機のWi-Fiに接続します。
次にAiMeshルーターのWebUIを開く、もしくはASUSルーターアプリを起動します。
WebUIを使う場合は http://router.asus.comにアクセスします。

AiMesh親機のWi-Fiに接続しているので、Lyraのセットアップ画面ではなく接続しているルーターの管理画面になるはずですが、そうならなければ更新をしてください。

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この画像のように、ルーターのログイン画面でななくセットアップ画面になってしまった場合はブラウザを更新すれば解決する

その後、管理画面からログインし、「ネットワークマップ」(多分これがログイン後のデフォルト画面だと思います)の「AiMeshノード」をクリックし「検索」ボタンを押してください。

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写真はWebUIのもの

アプリの場合は「ホーム」にある「AiMeshノード」と書かれたかっこいい円を押すか、「ホーム」ではなく「システム」メニューをタップし「(AiMeshを)検索」ボタンを押せばAiMeshノード(今回はLyraTrio)を発見してくれます。

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AiMeshと書かれたカッコいい円をタップするか、下のシステムタブをタップしてください。ちなみに、GT-AC5300だけは専用デザインになっており赤い円になっています。

AiMeshノードが無事検出されたらあとは画面の指示に従ってポチポチするだけです。ちなみに、Lyraが検出されてからAiMeshに組み込まれるまでだいたい3分半でかかりました。

セットアップ手順は以上になります。
アップデートはともかくAiMeshにLyraを追加するのは簡単に終わりましたね。
Lyraを有線ではなく無線で使う場合はそのままAiMeshとLyraを繋ぐLANケーブルを引っこ抜きます。WebUIでLAiMeshノード(Lyra)の接続が有線から無線に切り替わったことを確認してください。もしなかなか切り替わらない場合は優先接続設定を「イーサネット」から「自動」に切り替えた後にWebUIを更新してください。これで切り替わりLyraの色が緑色から水色に変わると思います。

色が変わったのを確認したらLyraの電源ケーブルを抜き、Lyraを設置したい場所に移して再度Lyraの電源をつけてください。色が水色になったら(あるいはAiMeshのWebUIでLyraがオフラインから無線接続になったら)完了です。

 

LyraTrio実測!のその前に、そもそもAiMesh間の接続方法について

今さらな話ですが、AiMeshには有線(イーサネットバックホール)接続と無線接続、2種類の接続方法があり、それぞれ環境に応じて使い分けることが可能です。

AiMeshにおける有線接続のメリットとして

  • 接続が安定している
  • 最大転送速度が1000Mbpsで(基本的には)無線接続よりも速い
  • LANケーブルさえ繋がっていれば、AiMeshルーター間の距離を気にする必要がない

というのがあります。

逆にデメリットとして

  • LANケーブルやLANポートに縛られるので設置場所が限られる
  • 電源ケーブルだけでなくLANケーブルもあるため邪魔

というのがあります。

 

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AiMeshの有線接続(イーサネットバックホール)運用。ルーター間の距離に関係なく速くて安定した接続となっている。

一方の無線接続ですが

  • AiMeshルーター間で通信できる距離であれば、基本的に(コンセントさえあれば)どこでも設置可能なので設置場所が柔軟
  • (あまり現実的ではないが)転送速度が1000Mbpsを超える距離であれば有線接続よりも高速な転送が可能

というメリットがあります。

デメリットとしては

  • 基本的に有線接続より不安定
  • AiMeshルーター間で通信できる距離に設置する必要がある
  • 距離にもよるが基本的に有線より低速

 

というのが挙げられます。

 

無線接続にも5GHzでの接続と2.4GHzでの接続方法があり、

5GHzの方には

  • 転送速度が速い
  • 干渉を受けにくい

というメリットがある一方で

電波の届く範囲が狭い

というデメリットがあります。

余談ですが、AiMesh間の接続ではなく、Wi-Fiルーターと子機(スマートフォンなど)との通信の場合はさらに

  • 5GHzそのものに対応していない機器がある(古いスマートフォンや安価なスマートフォンなど)
  • 5GHzそのものには対応しているものの非対応のチャネルがある(有名なものだと、AmazonのFireTVStick)などがあります。

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AiMeshの無線(5GHz)接続。たとえスマートフォンが5GHzのWi-Fi(11ac)に対応していなくても恩恵はあるので、可能であればAiMeshルーター間で5GHz通信が可能な位置にLyraを設置した方が良い

 

2.4GHzの場合は

  • 電波が5GHzに比べて遠くまで届く

というメリットがありますが、

  • 転送速度が遅い
  • 電子レンジやBluetooth、(ワイヤレスマウスやキーボードに使われることが多い)2.5GHzUSBレシーバー、USB3.0機器の一部やあるいは隣り合うチャネルなど、とにかく干渉するものが多い
  • 5GHzよりも混雑していることが多い

というデメリットがあります。

 

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AiMesh間が2.4GHz接続だと、たとえLyraとスマホが5GHzで通信していてもLyraとAiMesh親機との通信がボトルネックになり遅くなるので避けたい。

 

話はそれますが、これらの理由から一部の人間は2.4GHzを忌避する傾向があり、その中でも重症な者はスマホが2.4GHzにしか対応していないと親の仇のように批判します。かくいう私もその一人ですし、スマホを2.4GHz帯に接続したくないので普段は2.4GHzのWi-Fiアクセスポイントをスマホに登録していない程の2.4GHz嫌いで、レンタルして頂いたRT-AC88U等を使用していたときは、スマートコネクト(接続状況に応じて5GHzと2.4GHzを自動で切り替えてくれる)機能をオフにしてとにかく2.4GHzを使用しないという徹底っぷりでした。

 

LyraTrio実測!

ということで、いよいよ実測です!なお、今回の測定では有線(イーサネットバックホール)接続中に頻繁に接続が途切れるという不具合は起きませんでしたが、やはり後日再発してしまいました。

※基本的に1回しか測定していないため、誤差が十分考えられます。

※なお、赤い部分のみ2回測定(平均値を採用)しました。

※時間帯による差を考慮していません。

※厳密ではありません。

※測定結果はあくまで各接続方法による速度差の一例を示したもので、何かを保証するものではありません。

※あくまで、お遊びというか戯れ、趣味、そんな感じです。

※表のソースはこちらからご覧ください。

※グラフが見にくくて申し訳ございません。

 

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測定はLyraTrioのWi-Fiが減衰しないように設置場所である客間で行いました。

また、グラフが見辛くて大変申し訳ございません。  

 

 

 

 

試行回数の少ないので傾向も何もないのですが、とりあえず傾向として、AiMesh間の接続は「有線」が一番速く、「有線」>「5GHz」>「2.4GHz」となっていることが分かります。ただ、LyraTrioと子機(ROG Phone)との接続では必ずしもそうとは言い切れず、場合によっては有線接続したROG Phoneよりも5GHzに繋いだROG Phoneの方が速度が出ていました(1回しか測定していないので誤差の可能性も十分に考えられますが)

この結果から、AiMeshは出来る限り有線で構成した方が良いということが再確認できました。また、やむを得ず無線接続でAiMeshを構成する場合、少し距離があっても出来る限り5GHzを優先して欲しいという気持ちが理解していただけるかと思います。

だって、2.4GHzでAiMeshを構成した場合、どの結果も5GHzで構成した結果に及ばないんですよ?2.4GHzで構成されたAiMeshであれば、たとえ有線でLyraTrioと接続しようが何しようが、5GHzで構成されたAiMeshルーターに2.4GHzで繋いだ時よりも遅いんですよ?AiMesh間の接続が2.4GHzに切り替わった瞬間、もう負け確です。如何に2.4GHz接続のAiMeshがボトルネックになっているかが分かると思います。

LyraTrioレビュー:とりあえず最低限の仕事はするが。。。

冒頭でも散々愚痴りましたがLyraTrioは不具合の連続でした。正直、対処法がわかるまでは不満の塊と言っても過言ではありませんでしたし、今も不満がないと言えば嘘になります。なにせ、速くて安定してるはずの有線接続(イーサネットバックホール)運用ではなく無線ですし。なまじ、今までのASUSルーターが快適だったためにそのがっかりっぷりは凄まじいです。
ですが、一応「無線接続」で使う分には最低限の仕事はしてくれるのでレビューしたいと思います。

さて、前回のAiMeshルーターのレビューを読んでくださった方はお分かりだと思いますが、我が家は電波が届きにくい構造のようで、最強ゲーミングルーターであるGT-AC53000を以ってしても家全体を1台のルーターでカバーすることは出来ませんでした。特に気になるのがお風呂でのWi-Fiの弱さです。そのため、ルーターレンタル期間中はお風呂に近くかつLANポートもある客間にAiMeshルーターを置いていました。こうすることで、Wi-Fiをつなぎ直すことなくお風呂でも使うことが出来たのです。速度もNURO光のおかげもあり申し分なく、動画も余裕でシークバーを動かすのも全然怖くない。そんな生活を、2回もルーターをレンタルしていただけたので約2ヶ月も送ってきました。
が、今は違います。まず、Wi-Fiがシームレスに切り替わりません。階をまたいでワンテンポ待つと近い方のWi-Fiを掴む感じです。もちろん、一度切り替わってしまえば特に気にならないのですが、切り替わる前だと画像の読み込みなどで待たされてしまいます。
次に気になるのが、速度、電波強度(有効範囲)、パフォーマンスです。
分かっています、頭では。GT-AC5300やRT-AC88Uと比べてはいけないと。価格もコンセプトも全然違うものなので、比べるものではありません。が、どうしても使っていて気になってしまいます。また、速度に関しては有線ではなく無線で親機と繋いでいる以上仕方ありません。一応、5GHz帯の方で親機と接続しているのですが、時々2.4GHz接続になってしまうようです。この、5GHz接続で速度を取るか2.4GHz接続で安定性を取るかをユーザーが選べれば良いのですが残念ながら自動で切り替わるらしくユーザーにはどうすることもできないのが不満です。出来ることと言えば、少しでも親機に近づけて5GHz帯でも安定した接続ができるようにすることくらいなのですが、親機とノードを近づけすぎるとノードのカバー範囲が狭まってしまうというジレンマが。せめて、あともう一台Lyraを置ければいいのですが、だったら普通にAiMeshルーターを買います。と、少し話が逸れてしまいましたが、速度はLyraが親機と5GHz接続している時にスマホの方でも5GHzで接続すればそれなりの速度は出ます。ただ、電波強度はそれなりなので風呂場ではあまり速度が出ません。動画は普通に見れますが、シークバーをひょいひょい動かすと少し待たされてしまいます。
そしてパフォーマンス、これも(比べてはいけないのですが)やはりパワー不足感があり、AiMesh間を無線接続した状態で2台で同時にスピードテストをするとガクッと速度が落ちてしまいますし、速度面だけでなくそもそも本体の挙動もやや安定性に欠けており、無線接続で使い始めてから2週間で一度再起動する羽目になりました。これがこの後も続くのか、それとも一度きりの不調なのかまだ分かりませんが、他の方のレビューでも使ってるうちに不安定になったという声があるので、あまり期待は出来なさそうな気がします。
ASUSさんには是非頑張っていただきたいですね。

 

とりあえず、不満をまとめてみた

正直、今まで買ったASUS製品の中で一番不満が多いです。特に、有線接続(イーサネットバックホール)が不安定なのは価格相応と割り切れないがっかり具合なのでLyraTrioを売って他のAiMeshルーターを買うことさえ考えました。

また、LyraTrioの不具合を通じて今まで気づかなかったAiMeshに対する不満も浮き彫りになったので、不満に感じた点やここを改善してほしいと思うところを挙げていきたいと思います。

 

LEDだけでなくアプリから状態を確認できるorアプリにLyraのLED対応表が欲しい

外観重視のためか、LyraTrioにはLEDインジケータが1種類しかありません。そのため、そのLyraの色と点滅の有無で状態を判断するしかありません。オシャレなのは良いことですが、ちょっと分かりにくいのでWebUIやアプリでLyraの状態を表示したりあるいは、そのLEDの識別表が見られるようにして欲しいです。

以下はLyraTrioに限らずAiMesh全般に言える不満ですが、いい機会なので書き連ねたいと思います。

各ノード間の接続速度(リンク速度?)をASUSルーターアプリやWebUIで表示して欲しい

無線接続の時は特に置き場所にシビアになりがちなので、AiMesh間の速度が分かるようになればいいなぁと思いました。

AiMesh間での無線接続の際に帯域を選ばせて欲しい

2.4GHz帯と5GHz帯を選ばせてほしいというのもそうですが、欲を言えばチャネルも選ばせてくれると嬉しいです。前者の方は理由を説明するまでもないと思います。この、2.4GHzか5GHzかというのは通信速度に大きく影響を及ぼすため私としては何としてでも5GHzを使いたいのですが、電波強度の関係で時々2.4GHzをAiMeshが選んでしまい、それが5GHzに切り替わるまでの間、可能な限り親機とLyraTrioを近づけ後は祈るだけというのは悲しいです。
後者の方はあったら嬉しいなぁ程度のモノなのですが、我が家では5GHz帯を使う際にはW52を選びがちです。というのもAmazonのFireTVStickがW52にしか対応していないからです。たったこれだけのためにW52を使わざるを得ないのですが、どうやらご近所さんも同じなのかはたまた何も考えていないのか使ってるルーターが古いのかW52を選びがちで、結果としてW52が結構混み合ってるのです。せっかくの5GHzなのでサクサク快適に使いたいと考えるのは当然のことですよね。実際AiMesh間の通信がどのチャネルで行われているのか分かりませんが、出来ることならW53やW56などの空いているチャネル、さらに欲を言えばW53やW56の中でも気象レーダーの干渉が起きない特定のチャネルを使いたいので、(おそらくAiMesh側で最適なチャネルを選択してるとは思いますが)ユーザー側でAiMesh間のチャネルを選べるようにして欲しいです。

 

総評:安定性に欠けるとは言え最低限の仕事はする。

何度も言いますが、一応最低限の仕事はしてくれました。Wi-Fiルーターなので当たり前ですので、そこしか褒めるところがないのもどうかと思いますが…とりあえず、致命的なのがAiMesh親機と有線接続(イーサネットバックホール)した時の安定性が怪しいところです。ここさえアップデートで改善されれば「値段相応」と言えますが現状、人におススメ出来る製品ではありません

今あるASUSルータと組み合わせて手軽にメッシュWi-Fiネットワークを構築するというコンセプトは悪くないだけに、Lyraのこの不安定さが尚更惜しいです。これさえ無ければLyraシリーズなのですが…一応、このコンセプトに近いルーターを選ぶならRT-AC68Uをおススメしたいと思います。
Lyraシリーズの白くて小さい目立たないデザインじゃないと部屋に合わないから嫌だ、という方でなければRT-AC68Uはぴったりだと思います。価格差もほとんどなくロングセラーで安定した人気もあり安心して使うことが出来るからです。かくいう私もAiMeshの親機としてこの68Uを愛用しております。もちろん、電波強度(有効範囲)やパフォーマンスに何の不満もないという訳ではありませんが、価格相応ですし十分納得しています。

これでLyraTrioのレビューを終えたいと思います。この不安定ささえ無ければ本当に「丁度いい」メッシュWi-Fiルーターなのですが、いかんせんこれが致命的過ぎました。有線ではなく無線接続をすれば最低限の仕事はしますが、有線を超える転送速度(1000Mbps以上)を安定して出せる距離でない限り、有線で繋げられるところでわざわざ無線でつなげるメリットというのは薄いので、だったらちゃんと有線接続が使える別のルーターを選んでしまいます。
兎にも角にも、安定性。それが改善されたら思いっきり手のひらを返したいので、ASUSさんにはアップデートを頑張っていただきたいです。

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