AiMeshについて:AiMesh依存歴2年以上の患者が語る

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著者

Pottal

公開日

2021年03月07日

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これはアーカイブ記事です

この記事は、はてなブログ時代(旧Pottal-Portal)の記事で、アーカイブを目的に公開しているものです。
情報は古くレイアウトも崩れています。
必要に応じて、順次リライトや最適化を行っていきますので、今しばらくお待ち下さい。

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部屋や階を跨ぐたびにWi-Fiを繋ぎ直すのが嫌!
トイレやお風呂場でWi-Fi速度が落ちるのが嫌!
そんなあなたに!AiMeshはいいぞ。
もうこれなしの生活は考えられません。と言うことで、今回はAiMeshとは何か、そのメリットデメリットや他社と比べて何が強いのか、ルーターの選び方までがんがん紹介していきます。
ところで、これ信者の勝手な布教なのでASUSからはギャラとかいただいていません。ASUS JAPANさん、もし読んでたらギャラは結構ですので製品提供とかですね…あ、でももうAiMeshルーターは大丈夫かな。何せRT-AX89XとGT-AX11000という最強ルーター2台あるからな。総額10万だぞ。

 

目次

 

AiMeshの前に、そもそもメッシュWi-Fiネットワークとは

メッシュWi-Fiネットワークとは、ざっくり説明すると「複数のWi-Fiアクセスポイントを1つのWi-Fiのように使えるやつ」です。
メッシュWi-Fiにすれば、階を跨いだり遠く離れた部屋にもWi-Fiを届かせることが出来ますし、その際にいちいちWi-Fiアクセスポイントを繋ぎ直す必要がありません。勝手に繋がります。

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複数ある「AiMesh_5G」にそれぞれ繋ぎ直す必要がなく、

まるで1つのWi-Fiであるかのように振る舞う

階や遠く離れた部屋にWi-Fiを飛ばすには

メッシュWi-Fi登場前にも、Wi-Fiエリアを拡げる方法はありました。

AP(アクセスポイント)モード

ルーターを2台有線で繋げ、ネットワークの上流にある方をルーターとして、もう1台は「ルーター機能」をオフにし、アクセスポイントとしてのみ使う方法です。

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この方法は2台のルーターがそれぞれ異なるメーカーであっても使うことが出来ます。
ASUSのメッシュWi-Fi、AiMeshを導入前は私もこの方法で家のWi-Fiエリアを拡げていました。
有線で接続するため、LANコンセントがあれば遠く離れた部屋をアクセスポイント(Wi-Fiエリア)の基点に出来る反面、設置したい場所にLANコンセントがない場合やLANケーブルをルーターからその場所に引けない場合は使うことが出来ません。
また、アクセスポイント名(SSID)も変わってしまうため、いちいちWi-Fiを繋ぎ直さなければならない、APモードのWi-Fiルーターは本来の機能をフルに活用出来ないといったデメリットも存在します。

APモードのメリット
  • 異なるメーカー同士でも使える
  • 有線で機器を繋ぐので、(LANが伸ばせれば)遠く離れた部屋もWi-Fiエリアに出来る
APモードのデメリット
  • APモードで使うルーターは本来の機能を発揮出来ない
  • Wi-Fiをいちいち繋ぎ直す必要がある
  • 有線で機器を繋ぐので、LANケーブルが使えない場所には置けない。
二重ルーター

上記のAPモードでは、片方のルーターの「ルーター機能」をオフにし、APモードとして運用しますが、これを行わず両方ルーターとして使うのが「二重ルーター」状態となります。

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APモードと同じイメージ図となります

二重ルーターの場合、ネットワークの下流にある方のルーターもルーターとして使うため、本来の機能を発揮することが出来ます。
一方で「ルーター機能」が二重に働いてしまうため、速度がやや低下したり、一部のオンラインゲームなどで接続出来なくなるといった不具合が生じることもあります。
私はNURO光を使っているのですが、NURO光のONU兼ルーターはルーター機能が切れないため二重ルーター状態で運用しています。以前はこれのせいか、「デレステ」に接続出来ないという不具合も発生したことがあり、出来ることなら避けたい状態です。

二重ルーターのメリット
  • ルーターの性能をフルに発揮できる
  • 外部からアクセスしにくい
  • 異なるメーカー同士でも使える
  • 有線で機器を繋ぐので、(LANが伸ばせれば)遠く離れた部屋もWi-Fiエリアに出来る

二重ルーターのデメリット

速度が若干低下する可能性がある
一部オンラインゲームやサービスで接続出来ない場合がある
Wi-Fiをいちいち繋ぎ直す必要がある
有線で機器を繋ぐので、LANケーブルが使えない場所には置けない。

ブリッジモード

ASUSルーターのブリッジモードの場合、ネットワークの上流にあるルーターとブリッジモードにするルーターをワイヤレス(Wi-Fi)で接続します。

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ブリッジモードにしたルーターの方は有線LANしか使えない(Wi-Fiアクセスポイントにはならない)ので、イメージとしてはワイヤレス(?)スイッチングハブという感じです。
用途としては、有線LANが引けないない部屋で有線LANしかないパソコンを使う、PHILIPSのHUE Bridgeを使うなどが考えられます。
また、ブリッジモードのルーターに別のWi-Fiルーターを取り付けることで、その部屋からWi-Fiを飛ばすことも出来ます。

ブリッジモードのメリット
  • ルーター同士をLANケーブルで繋がないで済むので、有線LANより場所を選ばない
ブリッジモードのデメリット
  • ブリッジモードに設定している側のルーターはWi-Fiアクセスポイントにできないので、Wi-Fiスポットにしたい場合は、もう1台ルーターを用意する必要がある(合計3台のルーターが必要)
  • 中継機ほどではないものの電波状況によっては速度が落ちる
中継機(モード)

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Wi-Fiルーターの電波を中継(拡張)してくれるものです。当然速度は落ちますが、LANケーブルで繋がずに済むので手軽ではあります。

中継機のメリット
  • ワイヤレスなので、親機となるWi-Fiルーターの電波が届く範囲であれば(もちろん電源コンセントは必要だが)設置場所を選ばない。
  • 親機と子機でメーカーを揃える必要がない
  • 安い
中継機のデメリット

基本的に速度は落ちる(中継機ではなく中継機モードに設定したWi-Fiルーターであれば性能が段違いなのでマシにはなる)
モノによってはSSIDが変わるので、部屋を移動するたびにWi-Fiを繋ぎ直す必要がある(モノによる)

と、一通り挙げたところで「メッシュWi-Fi」について設定したいと思います。

メッシュWi-Fiとは

メッシュWi-Fiルーター同士を(基本的には)Wi-Fiで接続し、メッシュWi-Fiルーター同士をまるで1つのWi-Fiルーターのように扱うWi-Fiルーターです。メーカーによっては「サテライト」と呼ばれる、親機よりも性能、機能を落とした子機を用意しパック売りしていることもあります。

中継機は例えるなら拡声器、メッシュWi-Fiは館内放送

中継機とメッシュWi-Fi、どちらも親機とWi-Fiで接続しますし、どちらもWi-Fiアクセスポイントになります。
では、何が違うのか。誤解を恐れずに言えば中継機は拡声器、メッシュWi-Fiは館内放送だと考えています。
どういうことかと言うと中継機はただただ親機のWi-Fiを中継しており、当然その時点で速度は落ちてしまいます。また、機種によっては同じ周波数帯で同時に送受信出来ないものもあり、余計に速度が落ちてしまいます。そのため、スピーカーに拡声器を取り付けて無理やり音を大きくしているようなイメージとなります。
一方のメッシュWi-Fiの方は複数のWi-Fiルーター(もしくはWi-Fiアクセスポイント)全体を1つのWi-Fiルーターとして扱うので、イメージとしては、商業施設などの館内放送のような感じだと言えます。それぞれのスピーカーから均等に音が出るので、拡声器で無理やり大きくした音よりも音質の低下がないことがお分かりいただけるかと思います。
また、中継機は経路が一本となってしまいますが、メッシュWi-Fiは(3台以上設置した場合)親機と子機だけでなく子機同士もネットワークを形成するので電波状況に応じて最適な経路を選択してくれます。この点も館内放送のようですね、一番近いスピーカーの音が自然と聞こえる感じです。

 

AiMeshはその時々に応じて最適な経路を選択するというのが分かる画像 pic.twitter.com/3SeKodqgLg

— ポッタル(Pottal) (@Pottal_MDS) 2021年3月2日

 

AiMeshの強みについて

上記で挙げたメッシュWi-Fiのメリット以上のメリットがASUSのAiMeshにはあるので紹介してきたいと思います。

多様性:使いたい環境、用途、予算に合わせて最適な製品が選べる

他社のメッシュWi-Fiルーターは、対応製品が限られているだけでなくたいていはパック売り(セット売り)となっています。そのため、自分の使いたい部屋にはちょっとサテライト(子機)のスペックが足りないなぁとか逆に割高だなぁと感じることがあると思います。
しかし、ASUSのAiMeshは19製品も対応ルーターがあり、環境、用途、予算に合わせて最適な製品、組み合わせを選ぶことが可能です。本当にとんでもない話なのですが、上はGT-AX11000という実売価格5万円のWi-Fi6ゲーミングルーターから、下は1万円のWi-Fi6エントリー ルーターRT-AX55、あるいはリビングルームには部屋の雰囲気を壊さないインテリアっぽいルーターのZenWi-Fi AXやLyra Trioを、ちょっと面白いルーターが欲しいなら、スマートスピーカーにもなるAlexa搭載ルーターのLyra Voiceを…といったチョイスが可能です。
そんなに多くても選べない!という方は(Wi-Fi6ルーター限定ですが)『多過ぎるWi-Fi6対応AiMeshルーターのラインナップを整理してみた』をご覧ください。

 

ma2motty.hatenadiary.jp

 

拡張性:後から買い足し出来る!だからまずは使ってみよう

AiMeshのいいところは、後からルーターを買い足せる点です。パック売りが多く、後からサテライトを買いにくい他社のメッシュWi-Fiと違い、1つ1つの製品がWi-Fiルーターとしても独立可能なAiMeshはフツーに買えます。付け足す時も、システムのリセットとか必要ありません。ただ繋いで親機で認識させてやれば完成です。手軽!
と、いうことでまずは2台のAiMeshルーターを導入してみて、(普通はこれで足りると思いますが)例えばお風呂場のWi-Fiが弱いとか、この部屋には有線LANオンリーなデスクトップとPHILIPS HUEブリッジがあるから有線LANが欲しいとか、ワイヤレスでメッシュを構築してるけど、2.4GHzで構成されてるせいで遅い!間に1台噛ませて5GHzで構成したい!といったピンポイントな需要に合わせて買い足すスタイルが良いでしょう。

有線でも構成可能

多くのメッシュWi-Fiは、ワイヤレス(Wi-Fi)で親機とサテライトを接続することしか出来ず、部屋にせっかくLANコンセントがあっても無駄になってしまうのですが、ASUSのメッシュWi-Fi、AiMeshは有線LANを使ったメッシュWi-Fiの構築(イーサネットバックホール)にも対応しています。
基本的にはWi-Fiよりも有線の方が安定しているので、ネットワークの基幹をなす部分は出来れば有線で構成したいものです。

※速度に関しては、実は有線LAN(cat.5a)より無線の方が速い場合があります。と、いうのも普通の有線LANは最大1000Mbpsしか出ないのですが、Wi-Fi6に関しては4800Mbps(双方の最大転送速度が4800Mbps以上の場合)と4倍以上速度が出ます。とは言え、宅内ネットワーク(NASなど)を楽しむのでなければ、別に家から外に出る通信(WAN側)が足を引っ張ることが多く、結果として速度が変わらないのであれば、安定している有線を選びたいというのが私の意見です。

AiMeshのここがダメ

メッシュ構成の際に5GHzと2.4GHzをユーザーが選べない

これが唯一の欠点です。もちろん、Wi-Fiルーターのアクセスポイント(スマホなどが接続するやつ)は、SSID(Wi-Fiの名前)を選ぶことで5GHzと2.4GHzを選択可能ですし、一度選択してしまえば、違う部屋のAiMeshに接続する際も当然その設定が維持されます。
問題はAiMesh同士の接続に使うWi-Fi(の周波数)が選べないという点です。
5GHz帯で安定した通信が出来る近距離では、当然5GHzを使いますし、5GHzでは届かない遠距離では、より遠くまで届く2.4GHzを使います。これは分かります。
問題は、5GHz帯で若干速度が落ちる中距離で2.4GHzを使われる場合です。
5GHzと2.4GHzでは、速度が全然違うので2.4GHzを選択されてしまうと、速度がガクッと落ちてしまうのです。はっきりと体感できるレベルに落ち込むので、最悪です。
しかも、それをユーザーにはどうすることも出来ないので、ただただ祈ることしか出来ません。
お高く付きますが、+1万円出してテキトーなAiMeshルーターを買い足せば、お祈りせずに済みます。

IPv6+に非対応

AiMeshの欠点というよりASUSルーターの欠点なのですが、IPv6+に非対応です。
IPv6そのものには対応しているものの、日本で主流なIPv6+に対応していないため、IPv6+環境下で利用する場合はプリバイダーなどから別途ルーターをレンタルして二重ルーター環境で使うことになると思います。
実際、私の環境ではドコモ光10ギガプランをダイレクトに利用出来ず、しかたなくドコモ光のルーターをレンタルし二重ルーター状態で利用しています。

 

AiMeshの使用感について

AiMeshのご紹介は以上となります。続いては、実際に使っている感想や参考までに私の環境をご紹介したいと思います。

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左の画像にはないが、Lyra TrioというAiMeshルーターも使っているので

合計4台のAiMeshルーターで家全体をカバーしている

2020年2月22日の時点では、RT-AX89XをAiMeshのメインルーターとし、無線(Wi-Fi6)接続でGT-AX11000を、有線接続でRT-AC68UとLyra TrioをAiMeshノードとして運用し、家の隅々まで5GHzのWi-Fiでカバーしています。
契約している光回線がNuro光とドコモ光10ギガプラン(プロバイダーはアンドライン)なため、二重ルーターかつデュアルWAN状態で運用しています。
デュアルWANの設定は、ドコモ光10ギガプランの回線をRT-AX89Xの10GbEポートに、NURO光の回線を1GbEのWANポートに接続し、負荷分散方式で運用しています。
また、SFP+ポートは10GbE検証用のサブパソコンと繋げていますが、そのうちQNAPのスイッチングハブを購入するつもりなので、そっちに当てたいと思っています。

 

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将来的にはこうして、夢の10GbE環境を手に入れたい

家中どこでも300Mbps以上!ストリーミングも超快適!

風呂場でもトイレでもこの速度が出るのは快適以外の何者でもありません。しかも、この速度はWi-Fi6ではなくWi-Fi5のスマートフォンで出ているので、言うことなしです。

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風呂場近くのWi-Fi5ルーターとWi-Fi5のiPhone8Plusでもこの速度

ちなみに、リビングだとWi-Fi6のスマホで890Mbps出ています。

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速度の秘訣は回線の強さもありますが、やはりAiMeshのおかげです。AiMeshは有線でも無線でも構築できるため、近距離かつ速度を重視する場合は1Gbpsより速い無線で、距離があり安定性を重視したい場合は堅実に有線でという使い分けをし、環境にあった構成を組んだおかげでしょう。嗚呼、ありがとうAiMesh、ありがとうASUS、ありがとうドコモ光10ギガプランとNURO光。

まとめ:AiMeshは良いぞ。

ということで、AiMeshの良さが伝わったでしょうか。

家のすべてを高速Wi-Fiでカバー出来るAiMeshルーター、その1つ1つを予算と目的に合わせて組み合わせることで、皆さんの自宅ライフがより快適なものになることを心からお祈りしています。

AiMeshは良いぞ。

 

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