Xperia1を「Xperia™新製品タッチ&トライ」ブロガーミーティング」で体験してきました! 〜ROG PhoneユーザーからみたXperia1の感想〜

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Xperia1の先行レビュー!と、いうことで所持ASUSスマホは8台、メインスマホがROG PhoneというバリバリのASUSスマホユーザーであるPottalがXperia1を指紋でベタベタになるまで愛でたり、開発者の方々に直接お話しを伺うことで分かったことや思ったことを書き連ねる記事です。

イベント自体の感想についてはこちらをご覧ください。(現在工事中)

5月16日に行われたイベントではdocomo版のXperia1とXperiaAceの開発機を貸していただけました。ハンズオンはわずか2時間しかなく、比喩なしであっという間に終わってしまい、まだ試したいこと聞きたいことはいっぱいあったのに!という感じでした。
あくまで開発機であり製品版ではないということ、満足するまで触れていないので、もしかしたら間違ったことを書いてしまうかもしれません。

また、この2時間の大半を開発者さんとのお話に充てたので、写真がほとんどございません。ご了承ください。

まあ、コールドモックは発表直後だというのに、すでに家電量販店に置かれていましたし、店員さんに言えば実機を持ってきてくれる店舗もあったので、わざわざ貴重な、それこそまたとない開発者さんとのお話の時間を削ってまですることではないかなぁと。

 

 

目次

 

 (2019年5月20日8時20分追記:目次の使い方を覚えたので目次を追加しました)

 

Xperia1とは

こんな小さいブログにまで目を通してくださる方にとっては今更な話かもしれませんが、最初にXperia1についてさらっとスペック確認をしたいと思います。例によってフォーマットがASUSっぽいのはご愛嬌ということで…

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 注目すべきはやはりトリプルカメラでしょうか。それとも前代未聞の21:9というシネマワイドでしょうか。いやいや、有機4KディスプレイというSONYの意地でしょうという声もあると思います。もしくは狂気の瞳AF…あれこそSONYの本気だ…などなど。
いやぁ、全部でした。全部すごかった。正直な話、参加するまでは「カタログスペックでしょ?いつものXperia。使ってみるとそうでもない」と思ってましたし、だからこそ今までXperiaを買ったことがなかったのですが、今回は違いました。これはホントに本気だと。
その本気なXperia1、本気で感想をぶつけてみたいと思います。この様に舞い上がっていますが、提灯記事ではなく素直に思ったことを書き綴ります!いや、でもホント時間無かったのが辛い!あと5時間くらいあればもっと濃いレビューが書けたのに!!

 

Xperia外観等レビュー:伝統の紫は本気の証。そして前代未聞ののっぽ感、でも持ちやすい

いきなりカラーについて触れてますけど、やっぱりファーストインプレッションとしては、縦長!これは万国共通じゃないでしょうか。21:9シネマワイドディスプレイの感想については後でいっぱい書きますが、意外に持ちやすいのでびっくりしました。シュッとしており、スンとした感じ(ボキャブラリー)です。

カラーについて: 祝!紫復活!

そしてカラーですが、ホワイト、ブラック、グレーとパープルです。ここにRosso(赤)があれば、なお嬉しいのですが…
各カラーの感想ですが、
ホワイトはまあ白だなぁと。ちょっとテカテカしてますが代わりに指紋も目立ちにくいので裸運用(ケース等を付けずに素のデザインを楽しむ使い方)には良いかもしれません。
逆にブラックは指紋がかなり目立ちます。ガラス素材の宿命ですね。
グレーは地味と思いきや、落ち着いていていい感じで、指紋もそこそこ目立ちにくいので一番無難かもしれません。何というか、光る泥団子というか、結構ほれぼれする色合いでした。
また、後述のパープルが歴史を振り返るというものに対しグレーは新しい提案という意味合いがあるとのお話がありました。
パープル。いやぁ、紫。グラデーションカラーではありませんが、見る角度によって結構表情を変えてくれるので見てて飽きないですね。惚れ惚れしてしまいます。また、トレンドであるグラデーションカラーを採用しなかったのは、21:9の縦長サイズ感を第一に押し出したかったから(間違っていたらすいません)と聞きました。

 

前面について:さらば極太ベゼル、時代に即したデザインに

前面はかなりベゼルレス、でも完全ベゼルレスではなく、そうそうこういうのでいいんだよって感じです。
21:9の細長いサイズにでっぷりとしたベゼルがあったらおいおいって感じですが、このくらいのベゼルであれば気にならない、むしろ百点満点です。
下手にベゼルレス(笑)気取ってノッチ付けたりパンチホールとかじゃあ失笑もんですよ。その点、今回のXperiaはよくやってくれました。
私のメインスマホであるROG Phoneと比較してみてもベゼルが細くなっていますが、これはROG Phoneがベゼル部にリッチなスピーカーを置いているのと、横(ランドスケープ)持ちした時に手で画面が隠れないようにという配慮でしょう。逆に、スピーカーにも力を入れているはずのXperiaがなぜ、ROG Phoneのようなデュアルフロントスピーカーを採用しないのか気になりますが、お話を伺ったところ、ベゼルとの兼ね合いだったようです。もちろん、スピーカーを置こうと思えば置けたが、ベゼル周りをスッキリさせたかったというのと、サイドでも十分な音響効果を得られたためとのことでした。
実際、デュアルフロントスピーカーでなくても、ちゃんと違和感なく聴けました。ROG Phoneのゲーマーファーストな設計思想とXperia1の設計思想は異なるという話で、どちらが良い悪いという話ではないと思います。

 

背面について:盛り上がってるトリプルカメラ

Xperia初のトリプルカメラ、盛り上がっています。いい意味でも悪い意味でも気分的にも物理的にも。カメラの厚みがあるので、机に置く時にちょっと気になってしまいます。まあ、カメラが出っ張ってるスマホは多いですし、XperiaXZ2のランチパック具合に比べたらこれにガタガタ言うのはナンセンスと言えそうです。まぁ、個人的にはカメラの厚み分、端末も分厚くしてバッテリー容量を増やすなりQi(ワイヤレス充電)に対応するなりして背面を完全フラットにして欲しかったというのが正直なところですが、これについてもお話を伺ったところ、今回はとにかく8.2mmに抑えるという熱い想いが社内にありこういう形になったとのことでした。もちろん、Qiやバッテリー増量の要望は把握しているので今後も非搭載という訳ではなさそうです。
カメラの詳細に関しては後述しますが、レーザーAFセンサは廃止されデュアルフォトダイオードのイメージセンサによるAFが採用されました。その分、背面はスッキリしフラッシュとRGBC-IRセンサーだけになりました。ああ、あとマークとSONY及びXperiaのロゴ、そしてdocomoモデルにはキャリアロゴがありますが、キャリアロゴがありますが、まあそんなところですね。
あと地味にこだわっていると感じたのが、曲げガラスの使い方です。せっかくの曲げガラスをほぼフラットに使っており、フチのところだけ曲げることで持ちやすさを向上させているそうです。

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写真は家電量販店のコールドモック。

以前のXperiaの角張り具合、あるいはXZ2やXZ3のランチパック具合とも違う、極めて自然で、そして時代に即したデザインとなっています。

側面について:指紋センサはサイドに復活、ただし電源ボタンとは分離

右側面はわりかしこちゃごちゃしてます。Xperiaを使ったことがない(会場でも指紋センサを特に試す機会が無かった)ので使い勝手に関しては分かりませんが、指紋センサが右側面に戻ってきてくれたのは、これぞXperiaという感じで良いと思います。ただし、以前は電源ボタンと一体化していたはずの指紋センサが何故か別々になってしまいました。
この疑問をぶつけてみたところ、様々なリージョンで出すうえで分けて欲しいとの声があったというのと、一体化により厚みが出てしまうため電源と指紋センサーを分けるに至ったそうです。
逆にXperiaAceに関しては日本専売のため今まで通り一体化させているそうです。実際、Xperia1とAceの指紋センサーを比べてみると厚みが全然違いました。

電源ボタンと指紋センサを分けることで使い勝手に影響が出るのでは?と思ったのですが、画面オフ(ロック状態)の時に電源ボタンではなく指紋センサに触れることでスリープ解除が出来るので、分離したことによる使い勝手の低下などはなさそうです。また、Xperia1の指紋センサーはかなり細くなっていますが、これによる精度の低下などは無いそうです。

カメラキーも初体験だったのですが、正直、片手でボタンを押し込むときにブレてしまうので押し込み式ではなくタッチ式にすれば、もっと言えば別に指紋センサをそれに充てれば…と思いました。もちろん、普通のカメラにように両手で持ってがっちり構えればブレることなくシャッターを切れますが、私としてはあまりカメラキーのメリットを感じることができませんでした。もちろん、撮るときの楽しさみたいなのはあった方がありますが、それよりかこのカメラキーをシャッター以外にカスタマイズしたいなぁ、みたいなのが勝ってしまいました。写真を撮るときに限って言えば、例えばこのカメラキーを長押ししながらディスプレイをスライドするとISOやシャッタースピードを変更したりとか、カメラ使用時以外では例えば、Googleアシスタントの呼び出しなどのショートカットキーとして使えたらなぁと。
これに関しては特に対応予定はなく、カメラキーはカメラキーのままみたいです。ただ、電源ボタンの2回押しでGoogleアシスタントの起動もしくはカメラの起動が出来るそうです。対応するショートカットが少な過ぎる上、カメラキーと役割が被っているので実質Googleアシスタント呼び出し専用ですね。
とにかく右側面にはボリューム、指紋、電源、カメラキーが並んでいます。従来の筐体サイズだと、うへぇ…となりますが、縦長なXperia1だとごちゃっとしてるなぁと思うくらいで特に持ちにくくもならないので悪くはないかなぁと。
下側面はTypeCポートとマイク、スピーカーです。このスピーカーが下ベゼル部にあればなぁ。TypeCポートはUSB3.1なので高速転送が可能なほか、USB PD3.0による最大10W(5V2A)での急速充電が可能。また、24bit/192KHzのハイレゾ出力も可能です。い、イヤフォンジャック…
ちなみに、日本発売中/発売予定のあるであろう最新ハイエンドスマートフォン(Snapdragon855搭載スマホ)では、イヤフォンジャックを搭載してるのは(おそらく)GalaxyS10シリーズとZenFone6シリーズのみなので、仕方ないと言えば仕方ないのかもしれませんが、Walkman等を手掛けるSONYのスマホなので、多少無理してでもイヤフォンジャックを搭載してほしかったです。

カメラは最後の追い込み中!

実機レビューの前に軽くおさらいです。今回、Xperia1では初のトリプルカメラを採用しており、35mm換算で焦点距離26mm、F1.6の標準(メイン)/52mmでF2.4の望遠/16mmで同じくF2.4の超広角レンズという構成です。ちなみにイメージセンサの詳細は非公開ですが、メインカメラは1220万画素のデュアルフォトダイオードセンサーのため実質その倍の2400万画素となっている(らしい)です。また、これにより今までのレーザーAFからデュアルPDによる位相差AFとなり、カメラ回りが1つスッキリしました。

 

話を元に戻しますが、Xperiaのメインカメラ(ここでは、標記の都合上標準レンズを搭載したカメラをメインカメラ、超広角レンズのカメラを超広角カメラ、望遠レンズのカメラを望遠カメラと標記していますが、一応、この3つのカメラを総称してメインカメラと呼んでいるそうです。ただ、実際にメインとして想定しているのは標準カメラと望遠カメラで、単にフロントカメラの対比としてリアカメラをメインカメラと呼んでいるそうです。繰り返しになりますが、ここでは分かりやすさ重視のため標準レンズのカメラのみをメインカメラとして呼びます)は1200万画素のデュアルフォトダイオードセンサーを搭載した1/2.6インチのメモリ積層型イメージセンサを採用しています。また、ピクセルピッチは1.4μmとXperiaXZ3(1.12μm)と比較すると大きくなっています。レンズの方もF1.6と非常に明るくなっており、これにさらに画像処理エンジンを刷新することで暗所にかなり強くなっています。

 

また、カメラの設計を1から見直した結果、Xperia史上初のOIS(光学式手振れ補正)を搭載し手振れにも強くなりました。

続いて望遠カメラについてですが、(同時期に発表されたXperia10Plusも含め)Xperia初の望遠カメラということで、ファン待望のものなのではないでしょうか。
望遠カメラのイメージセンサの詳細は同じく非公開ですが、1220万画素でレンズがフルサイズ換算52mmでF2.4となっています。こちらもOIS(光学式手振れ補正)が付いています。望遠だと手振れが気になるのでOISとEISの両方でしっかり手振れ補正してくれるのは嬉しいですね。

最後に超広角カメラですが、こちらはフルサイズ換算16mmでF2.4のレンズを搭載しています、イメージセンサは同じく非公開です。また、超広角カメラにはOISは非搭載となっています。

さて、長々と「軽くおさらい」してしまいましたが、次からいよいよカメラを使って見ての感想をお伝えしたいと思います。ただ、残念ながらまだ開発機で、最後の追い込み真っ最中のため、撮影データの転送やアップロードは出来ないと聞いていたため、今回のハンズオンではカメラ周りのUIを試したりオートフォーカスのかかり具合を中心に見ています。

とりあえず、私のメインスマホがASUSのROG Phoneということもあり、今回はROG Phoneと比較してみたいと思います。

 

ROG PhoneとAF対決!

ということでXperia1とROG PhoneでAF性能を比較してみました。
ROG PhoneのメインカメラにはSONYのIMX363を採用しておりデュアルピクセルAFによる0.03秒AFが可能です。

さて、肝心のAF性能ですが、正直なところAF速度に関しては特に違いが見られなかったです。ただ、ROG Phoneだと暗所や一部被写体(特に反射が強いもの)にピントが合わなかったりするのですがXperia1はROG Phoneよりピントが合いやすい気がしました。
また、コンティニュアスAF(被写体を追従してフォーカスし続ける)機能に関しては、Xperia1に軍配が上がりました。特に、人というか瞳に関しては世界初の瞳AF搭載のXperia1だけあって圧倒的でした。スマホに瞳AFなんて必要か?と思っていましたが、使ってみると実用性はともかく楽しかったです。

 

メインカメラ比較は…すいません!無理でした!

カメラの作例について気になっている方も多いかと思います。ただ、先述の通り、残念ながらカメラについては最後の追い込み中ということでXperia1で撮った写真を持ち出すことが叶わず、あくまで言葉で伝えることしかできません。

また、ハンズオン時に実機で撮った写真は持ち帰れず、代わりにサンプルを渡して貰えると聞いていたので、カメラ周りはきっぱり諦めて、開発者さんに濃いお話を伺おうと割り切りました。いや、まさか個別対応してくれていたとは…それを知ったのはタッチアンドトライが終わった後で、今更写真を撮る時間も無く…

一応、作例としてお土産にもらったサンプルの写真をアップしたいと思います。多分、参加された方は同じデータを貰ってると思います。

 

https://pottal-motty.tumblr.com/post/184961932417/xperia1%E3%81%AEhdr%E6%92%AE%E5%BD%B1-%E3%81%93%E3%81%AE%E5%86%99%E7%9C%9F%E3%81%AF5%E6%9C%8816%E6%97%A5%E6%9C%A8%E9%96%8B%E5%82%ACxperia


pottal-motty.tumblr.com

https://pottal-motty.tumblr.com/post/184962003082/xperia1%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E6%AF%94%E8%BC%83%E8%B6%85%E5%BA%83%E8%A7%92%E6%A8%99%E6%BA%96%E6%9C%9B%E9%81%A0


pottal-motty.tumblr.com

 

前代未聞21:9シネマワイドディスプレイ

Xperia1の最大の特徴と言ってもいいこの縦長なディスプレイ。当初の予想よりも使いやすく、触れれば触れるほど「どうしてもっと早く21:9にならなかった?」と思うほどです。縦スクロールが主流で、しかもスマートフォンの画面比率も従来の16:9から18:9への縦長化が進む中、この21:9というのは当然の帰結なのではないかと思います。これ以上、横への拡張は人の手のひらが対応出来ませんし、これ以上縦長なのは流石に使いにくいような気がするので、折り畳んでいない状態ではこれが終着点なのではないでしょうか。21:9のシネマワイドディスプレイというこの境地にいち早くたどり着いたのが、デザインに関しては保守的(に思える)SONYだというのが驚きと、映画や映像制作機械を手掛けるSONYだからこそという納得もあり面白いなぁと思いました。

ということで、21:9の縦長画面は思ってた以上に使いやすかったという話でした。

さて、この21:9画面ですが、スクロール回数を減らすだけでなくその広さ故に画面分割でも役立ちます。

ただ、この画面分割には残念だった点が2つあり、1つはこの画面分割を呼び出す際に使う「サイドセンス」機能がすごくセンスを必要とするジェスチャー操作だったという点です。 

 

 

その一方でXperiaAceではガイド線みたいなのがあるおかげで結構使いやすかったです。Xperia1はXperiaAceよりも縦長なので、画面分割の使用頻度が高いはずですし、何よりサイドセンスを使っての画面分割を推しているのだから、製品版までにはしっかり煮詰めて、サイドセンスにアプローチしやすくなって欲しいです。

 

さて、もう1つ残念だったのが、画面分割がただの画面分割だったという点です。

 

この画面分割機能は画面を分割表示しているだけであって、Android標準のマルチウィンドウ機能に過ぎず、「2つのアプリを同時に動かすことが出来ない」のです。

例えば、分割された画面の片方でゲームをし、もう片方でTwitterのタイムラインをスクロールするということが出来ないのです。ゲームをアクティブにしている時はTLは固まってしまいますし、逆にTwitterをアクティブにしている時はゲームの表示が固まってしまうのです。両立できるのはPIP(ピクチャインピクチャ)に対応した一部動画サービスくらいでしょう。

 

日頃、ROG Phoneとその拡張パーツであるTwinViewDockを使って2つのアプリを同時操作している人間からすると、これはちょっと、いやかなり残念です。RAMが6GBとは言え出来ないことはないでしょう。せっかく画面分割機能を推しているのだから、もう少し突き詰めて欲しかったです。

想像してみてください。いつまでも16:9の画面比率にしか対応しないゲームが21:9のディスプレイで黒帯表示される間抜けさを。この悲しみを埋めるために画面分割機能を使い、横に16:9、縦にも16:9の何かを表示して画面を埋めたいところですが、16:9にしか対応しないアプリは大抵画面分割に非対応なアプリです。よしんば対応していたとしても、Android標準のマルチウィンド機能では片方のアプリを動かしている時、もう片方は止まってしまうので、例えば必殺技演出の間やオートモード周回をしているときにTwitterの閲覧をした場合、いつまで経ってもゲームが進まないのです。分割表示されたTwitterをタップした瞬間、ゲームは止まってしまうのです。こんな悲しいこと、ありますか。

自分にとってXperia1の一番…いや、二番目にがっかりなところはそこです。(ちなみに一番は64GBストレージです)

ここは是非ともソフトウェアアップデートで対応して欲しいところです。ROG Phoneのような真の画面分割機能であれば、アプリによって対応非対応がなく基本的にどのアプリでも使えるので、何卒アップデート対応の程よろしくお願いします。というか、Android標準のただのマルチウィンド機能じゃ非対応のアプリは非対応なのでせっかくの21:9ディスプレイが宝の持ち腐れになってしまいますので、本当に根本から仕組みを見直して欲しいです。

 そしてFate/Grand Orderくんは早く、一刻も早く21:9…せめて18:9にちゃんと対応しなさい青帯表示じゃなく。SONYのスマホで快適にプレイさせようという気概はないのかね!?

 

世界初! 4K/HDR有機ELスマホ

Xperiaだなぁ…Xperiaの意地だなぁ…なんとしてでも4K有機EL搭載をした世界初のスマートフォンと冠したかったのでしょうか。このディスプレイの供給元は聞きそびれましたが、おそらくSamsungでしょう。スマートフォン用の4K有機ELディスプレイを供給出来るSamsungもそうですが、それをきっちりチューニングし10bitカラー相当の高い階調表現(実際には8bitのものをX1 for mobileにより2bit分補い変換処理を行うことで10bit相当)に仕上げたSONYと、両者のこの高い技術あってこその代物と言えます。

聞くところによると液晶よりも有機ELの方が色の制御が難しいとのことなので、それをプロ仕様にまでチューニングし、同社のBRAVIAや何百万とするプロ用モニターと比較までしてしまうSONYの意地というか狂気を感じました。

 

なお、先程から4K、4Kと繰り返していますが、正確には4K(3840×2160)ではなく(3840×1644)なので4K相当、言うなれば4K-とでも言うべき解像度となっています。まあ、これは21:9という細長さに合わせて短い方を削ったためでしょう。ピクセルサイズに限界があるため仕方がないことだと思います。

 

まあ、4Kだろうが4Kマイナスだろうが、スマホサイズではよく分かりません。スペックシートとにらめっこしながらでも書ける御託はここまでにして、実際にXperia1の4K有機ELディスプレイを見てみた感想をお伝えしたいと思います。

 

4K有機EL、やばかった

やべぇ、やばかったです。

私の持ってるROG Phone、これを初めての見たときも画面の綺麗さに驚き、当時のメインスマホであったZenFoneARと見比べ「これが同じ有機ELなのか」と笑ったのですが、全く同じ現象が起こっています。これが本当に同じ有機ELなのでしょうか。もちろん解像度は異なりますが、それより圧倒的なのがこの没入感!発色!これは素晴らしいです。己のボキャブラリーの低さが恨めしくなりますね。ああ、比較写真撮っておけば良かった!というのと、比べなければこんな悲しみを背負うことは無かったのに…買う予定の無い人は直視しない方がいいです。薄目でぼんやり見ないと物欲に飲まれてしまいますね。素数を数えて落ち着くことにします…1…!ダメだ1と聞くとXperia1が脳裏に!そもそも1は素数じゃないけど!

 

Xperia1、ゲーム性能は如何に。

 

Xperia1は従来モデルに比べてゲーミング性能にも力を入れています。

21:9のワイドディスプレイによるFPSゲームでの視野の広さや、HDRディスプレイによってコントラストを上げ暗いフィールドでも敵が見つけやすくなった他、RAMを4GBから6GBへ増やしたこと、あるいは単純にSoCを最新のSnapdragon855を搭載したというのもアピールポイントではありますが、ハードウェア性能だけでなく「ゲームエンハンサー」によるソフトウェアでの強化が一番のアピールポイントではないでしょうか。

 

ゲームエンハンサーはXperia1をゲーム向きスマートフォンに変えた

ゲームエンハンサー機能とは、文字通りゲーム体験をenhance(増大、向上)させるもので、画面録画や配信機能、通知の無効化、バックグラウンドアプリの停止など、ゲームをプレイする上で嬉しい機能の詰め合わせです。同様の機能はASUSスマートフォン(Game Genie機能)やSamsungのスマートフォンにも搭載されている他、ゲーミングスマートフォンにも搭載されています。ゲーム体験に力を入れたというのなら最低限搭載して欲しい機能と言いたいですね。

さて、このXperia1に搭載されたゲームエンハンサー機能ですが、使い勝手のほどは一体どれほどのものなのでしょうか。Xperiaは古くから同種の機能を搭載してきたSamsungやASUSの後塵を拝する形となった訳ですから、当然そこら辺の研究はしているはずですし、また後追いとしてハードルは上がってしまいます。ゲーミングスマートフォンと比べるのは酷かもしれませんが、今回はROG PhoneとXperia1のゲームエンハンサー機能を比較したいと思います。

 

「検索機能」はゲーム画面の横で攻略情報などをウェブ検索できる機能です。ROG Phoneでも同様の機能が搭載されており、「YouTube」「Web」タブでそれぞれ検索(攻略動画、攻略記事)が可能です。また、ROGPhoneの場合はこれにさらに「お気に入り」タブがあり、ブックマークしたサイトをすぐに表示することが可能です。

 

 「Focus setting」はメモリ解放、通知の非表示、ナビゲーションバーのロック、サイドセンスの無効化、明るさの自動調節の無効化と言った、とにかくゲームに集中させてくれる機能ですね。サイドセンスの無効化以外はROG Phoneにも搭載されています。また、この設定はゲームごとに保存が可能なので、例えばFPSゲームでは、画面照度が自動で変わらないように設定し、ナビゲーションバーやサイドセンスもロックし誤作動を防ぐ設定に、音ゲーでは、通知が大敵なので通知を無効化したりというのを、一度設定してしまえばそのゲームを起動したときに自動でその設定を適応してくれます。これもROG Phoneに搭載されています。

 

「画面録画」に関しては特に解説する必要もないかと思います。iPhoneで言う「画面収録」機能です。録画中であることを示すアイコンがあるので、録画された動画を観たら、「あっ、これXperia1だ」と分かるようにはなっています。また、インカメでプレイしている自分の顔も撮影することが可能です。これもROG Phoneに搭載されていますが、ROG Phoneのとは違い、画面録画中に録画アイコンを操作することで、録画を継続しつつ任意のタイミングで自分の顔を入れたり消したりすることが可能です。また、マイクに関しても同様で普段は内部音源のみを録音しつつ、任意のタイミングでマイクをオンにし解説を入れることが可能です。

(2019年5月18日20時10分追記:ROG Phoneでもインカメによる顔出しのオンオフを録画中に切り替えることが可能でした)

録画しつつこの様な操作を行えるのはROG Phoneにはない機能ですし、ユーザーとしてもいちいち一旦録画を止めて設定し直す必要がないので非常に嬉しいですね。

と、まあこんな感じです。Xperia1のゲームエンハンサーにあってROG Phoneに無かった機能と言えばサイドセンスの無効化くらいですね。これに関してはそもそもROG Phoneにサイドセンス機能がないので当然です。逆に、ROG Phoneにあってゲームエンハンサーにない機能がAirTriggerの設定、マクロ機能、FPSやCPU使用率、温度などを画面上に表示する「リアルタイム機能」です。AirTriggerは搭載していないので当然ですが、マクロ機能非搭載というのはSONYだからでしょうか。他にも、フレームレー40FPSにし消費電力を抑えゲームを長くプレイできるようにする機能もありました。

とりあえず、ゲームエンハンサーの紹介は以上となります。

 

もちろん、発熱対策も

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グラファイトシートによる発熱対策

ゲームにも力を入れていると聞いて、思わず疑問に思ったのが発熱対策です。ゲーミングスマートフォンの世界ではヴェイパーチャンバー(蒸気)や液冷、空冷ファンを用いて徹底的に熱対策をしています。しかし、見るところXperia1にはそのようなものは見られず、あるのはカーボンシートのみ。おいおい、と、こんなんで大丈夫か?そう思い開発者さんに疑問をぶつけてみたところ、これにも21:9ディスプレイが関係していました。曰く、従来機に比べて面積が広くなったので放熱がしやすくなり、その上で一番の発熱源であるカメラとSoCがある上部にグラファイトシートを設置することで十分な冷却効果が得られたそうです。また、Xperia1を開発する上で8.2mmに厚さを抑えようという強いがあり、他の機構は採用しなかったそうです。

もちろん、Z4やZ5の悪夢は忘れておらず、その上でグラファイトシートをのみの搭載ということで安心しても良さそうです。

 

オーディオについて

会場は騒がしかったこともありちゃんと試せてはいませんが、SONYなのでオーディオにも力を入れています。今回、オーディオとしての目玉はDolby Atmos®への対応なのですが、ぶっちゃけた話、対応そのものはそこまで難しくないためXperia1はその先を目指し、ソニー・ピクチャーズエンターテイメント(だったと思います)とも連携し、ただのDolby Atmos®対応ではなく、唯一無二の境地に至ったそうです。

会場には有線接続されたヘッドフォン(WH-1000XM3)があり、デモ映像もDolby Atmos®が出来るようになっていたので試してみたのですが、全然違います。映画館でした。ただイコライザとかを弄ってそれっぽくしてるのではなく、映画館に行けました。これ、すごい。ヘリコプターの旋回がほんとに後ろから聞こえる。画面も映画館見たいだし音も映画館みたいだし映画館だこれ。

しかもこのDolby Atmos®ですが、ワイヤレスでも体験できる他、Xperia1の内蔵スピーカーでも体験できるそうです。繰り返しになりますが、会場が騒がしかったのでちゃんと聴けたわけではないですが、スピーカーがフロントではなく下側面についているのにも関わらず、ちゃんと正面から、さらに言えば画面で話している人の方から聞こえました。すごいなぁ。

 

その他:スペックや開発者様との一問一答

 

Q.なぜ今回Wi-Fi6(11ax)には対応させなかったのか

A.現在のWi-Fi6の普及状況を見ての判断

確かにWi-Fi6はまだ全然普及しておらず、GalaxyS10シリーズですら日本版ではWi-Fi6未対応となっていました。そのため時期尚早であるという判断は分からないでもありませんが、その一方でWi-Fi6対応ルーターは出始めているので、次のモデルでは対応し積極的にWi-Fi6を盛り上げてもらいたいところです。

 

Q.ストレージはUFS3.0?

A.詳細は今お答えすることが出来ないが、UFSではあります。

 

UFS3.0だと嬉しいですが、どうなのでしょうか。早く詳細が知りたいところであります。

 

Q.HDR対応とあるが具体的には?

A.HDR10には対応、HDR10+には非対応

 

Q.ROG Phoneではゲーム中の着信を拒否することが出来るが、Xperia1のゲームエンハンサーでは今後着信拒否に対応する予定はある?

A.検討はしているものの、ゲームに集中したいとは言え着信が取れないのはスマートフォンとしてどうかと思うので、おそらく搭載はされない

 

まあ、当然と言えば当然ですね。キャリアとの兼ね合いもあるでしょうし、着信拒否なんてぶっ飛んだことは電話機である以上、そうそう出来ないと思います。

そもそもXperia1はゲーミングスマートフォンではないので、まともでいて欲しいです。

 

Q.SONYはToF(深度)センサも開発しているはずだが、なぜ今回それを搭載し、より自然なボケを追求しなかったのか

A.今回はトリプルカメラをメインにしたかった。ボケに関しては標準レンズと望遠レンズを組み合わせることで表現が可能だったのでToFは搭載しなかった

 

うーん、これに関してはイマイチ納得していません。正直、望遠レンズを組み合わせてのポートレートって使いにくいんですよね。iPhoneやZenFoneZoomSもそうなのですが、被写体との距離をかなり離す必要がありますし画角も狭いので。

是非とも次のXperiaには自社のToFセンサを搭載し、ToFセンサとはこう使うのだ!みたいな自然なボケが美しい写真が撮れることを願っています。

 

Q.Rosso!(赤!)Xperia1Rosso!

A.今回のXperia1は1から作り直したという意味で皆様からの要望をしっかり反映させていただき、その一環として復刻を望む声の多かったパープルを復活させた。それを強くアピールするために今回はパープルだけの復活となった。が、もちろんRossoの要望も理解している(みたいな感じでした)

 

確かにパープルだけの方がメッセージ性が強いですね。XperiaXZPremiumのRossoを買うか買わないかかなり迷っていた人間としてはRossoを復活して欲しいのですが、そうなるとパープルと迷ってしまいます。

 

Q.XperiaAceはなぜ21:9ディスプレイではない?

A.XperiaAceは従来のコンパクトモデルを使用していたユーザーに対する製品なので敢えて縦長ではなくコンパクトさを優先した

最後に:Xperia1は買いか

まず言いたいのが、いままでのXperiaと、このXperia1は完全に別物であるということです。デザイン1つとっても野暮ったさが消え、時代に適応し、むしろ自らが新しいトレンドになってやるという気概さえ感じさせるものとなっています。その21:9のディスプレイを搭載した縦長なデザインは一見するとユーザーを置いてけぼりにした使いにくそうなものに見えますが、実際に使ってみると持ちやすく使いやすいものになっていて、それには様々な工夫が凝らされています。例えば、手に持った時のフィット感のためにに曲げガラスを採用しフチだけを曲げ、背面そのものはフラットにするという以前のXperiaには無かったデザインを採用したり、バッテリーの位置などを工夫し重心を調節することで手に持った時に重さを感じにくい設計になっています。また設計だけの話ではなく、その縦長なディスプレイを活かした映像体験ができる工夫だったりあるいは画面分割といった使い方の提案だったりと、しっかり筋が通っていて、今までの「新機能を詰め込めるだけ詰め込みました!ここが世界初です!ここが世界一です!だからこれは素晴らしいスマホです!」というチグハグでブレブレだったXperiaではないなぁと感じました。カメラに関しても本当に最後の最後までチューニングをしている他、Xperia初の光学式手振れ補正の搭載やトリプルカメラの搭載、RAW対応、そして世界初の瞳AFなどかつてない本気を感じます。残念ながらカメラをしっかり試すことは出来ませんでしたが、少なくとも今までのようなカタログスペックだけのカメラではなく撮っていて楽しいカメラに仕上がっていました。

ただ、それと買いかどうかはもちろん別の話です。Xperia1は10万円を超えており、おいそれと手が出せる価格のスマートフォンではありません。もちろん、それだけの価値があるスマホであることには変わりありませんが、素晴らしいスマホはXperia1だけではないのです。例えばカメラだけで言えばHuaweiのP30ProはXperia1のはるか上を行く光学10倍、最大50倍ズームが出来ますしToFセンサを使った綺麗なボケのある写真、あるいは超マクロ撮影など、その質もさることながら幅広い撮影体験の提供が可能です。HDR10+ディスプレイ搭載、Qi対応、イヤフォンジャック搭載とXperia1には無いものを持ち、かつ全体的に高いレベルで仕上がっているGalaxyS10シリーズも強力なライバルになるはずです。他にもこれから夏にかけてSIMフリーで魅力的なスマートフォンがいくつも出てくることでしょう。

 

 

繰り返しになりますが、Xperia1は10万円超えという価格に見合う価値のあるスマートフォンではありますが、その価格で他の魅力的なスマホが買えることを思うと、一度胸に手を当てて考える必要があります。しっかりと作り込まれているからこそ、「迷ったら取り敢えずこれを買え」などと雑に勧められるスマホではないのです。

何が他のスマートフォンとは違い、何が自分に刺さったのか。なぜ、自分はXperia1を選ぶのか。それをしっかり見極められる人にしかおススメできませんし、逆にXperia1はそれが刺さる人に向けた尖りまくったスマホだと思います。

Xperia1は決して万人向けのスマホではありません。だから使っていて楽しい。撮っていて録っていて楽しい。

今までのような、ただSONYだから、ただ国産だからと言った雑な理由ではこのXperia1が可哀想です。

まずは、店頭でXperia1を触ってみて、しっかりとその魅力を体感して納得してから買ってほしい、そう強く思わせる尖ったスマホです。

と、言うことでXperia1は実際に触ってみて、刺さったら買い。買って後悔させない鋭い作りなので、その価格に見合うだけの体験が出来る、そんなスマホです。明確な方向性がありそれに向けて作り込まれているからこそ、全ての人におすすめできるものではないのです。

 

これが、2時間という短い時間でしたがXperia1に触れた人間の素直な感想です。もちろん「Xperia1は超おすすめです!」と提灯記事を書くことも出来ましたが、Xperia1に込められた熱い思い、開発者さんのこだわりを聞くと、そんな気は吹き飛んでしまいます。だから正直に「万人におすすめできるスマホではない」と書きました。素晴らしくないから万人におすすめできないのではなく、素晴らしいからこそ万人におすすめできないのです。この思い、伝わって欲しいです。

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